松岡京子 さく / 加古里子 え
こどものとも傑作集 福音館書店
初版 1970年
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元気な男の子「とこちゃん」は、好奇心旺盛でとことこどこかへ行ってしまいます。
とこちゃんがどこへ行ってしまったのか、絵の中から探し出す、ゲーム感覚のある絵本です。
赤と白の縞々の服を着た青年ウォーリーを探す絵本「ウォーリーを探せ」も有名ですが、「とこちゃんはどこ」は1970年に出版されていますから、元祖といったところでしょうか。
当時としてはとても新しいスタイルの斬新な本だったのではないでしょうか。
私はこどものころ、この本を持っていませんでしたが、友達のU子ちゃんが
「これ、すっごいおもしろいんだから」
と見せてくれたのを覚えています。
昭和の時代感満載の、なつかしい風景のなかで、とこちゃんを探すのは、楽しいです。
私のことものころ、こんなだったなあ、と懐かしく感じます。
とこちゃんのおかあさん、そうそう、このころのおかあさんは胸当てのない腰に巻くエプロンをして、買い物かごをもってお買い物に行ったのです。サンダルはいて。
おばあちゃんは、お出かけの時には着物を着て、羽織を羽織っていました。
とこちゃんのおかあさんは、この時代のおかあさんにしてはかなりおしゃれ。
まだ、お嬢さんの面影があるかわいらしいおかあさんです。
当時のおかあさんは、私の母も含めて漫画ちびまるこちゃんのお母さんタイプが多かったです。
絵の中に描かれている、とこちゃん家族以外の人をみるのも楽しいです。
表紙や、裏表紙、最後の作者紹介のページまで、見逃せない面白さです。
世に出て50年近くたとうとしている本ですが、うちのこどもたちも充分に楽しめましたよ。