山口勇子・原作 沼田曜一・語り 四国五郎・絵
金の星社
町の横丁に、「わらいじぞう」とよばれているおじぞうさんがたっていました。
まん丸い顔をそて「うふふ」とわらっているような顔をしたおじぞうさんです。
「その朝」もいつもと同じようにおじぞうさんは立っていました。
そして突然その町は、何もかも吹き飛ばされてしまったのです。
その町は「ひろしま」です。
横丁のおじぞうさんもふきとばされ、砂にうずまり、顔だけが地面にのぞいていました。
焼け野原となった街をやけただれた小さな女の子がやってきました。
そして、、、、、
子どもたちが保育園のころ買い求めた本です。
読んであげたのは、数える程度でしょう。
でも、この本は読んであげたいと思い読んだのを覚えています。
何度も何度も読むいつもの絵本、とは違っていたと思います。
楽しい、オモシロイ絵本、という絵本だけではないのです。
読み終わった後は、なんとなく重い空気になったような気がします。
何か子どもたちの心に残っただろうか。
感想を聴くこともなく、読んで後はそのまま、でした。
押しつげがましくなってはいけないと思うけれど、私自身もほとんど知らない戦争については、つたえていく努力をしたいと思っていました。
私自身は、小学校1年生の時、たまたま教室の学級文庫においてあった本で戦争に触れた記憶があります。
題名がわかれば紹介したいのですが、「東京大空襲」についてかいた子供向けのほんでした。小学生の作文をまとめたもののようでした。
あとは、「かわいそうなぞう」
小学1年生には、難しいようにも思いましたが、その本はさりげなく置いてありました。昔話しや童話といっしょに、本棚の片隅に並べてありました。
テレビなどで見たりしてなんとなく戦争というものがあったのは知っていたけれど、、、、親戚の家に行くと、兵隊さんの写真が仏壇に飾ってあるのをみたこともあるけれど、、、、。
戦争にはじめてきちんと触れたのは小学1年1組の休み時間の教室でした。