モチモチの木
斎藤隆介・作
滝平次郎・絵
岩崎書店 http://www.iwasakishoten.co.jp/news/n10454.html
豆太はじさまとふたりぐらし。
まめ太は、弱虫で夜中に「雪隠」(トイレ)にひとりでいくことができません。
いつもじさまが起きて、用を足すのにつきあってもらっています。
家のそばにあるモチモチの木は、勇気ある子どもだけがみることができる「山のかみさまのおまつり」があるといわれています。モチモチの木に火がともってとてもきれいなのだそうです。ただし、たった一人で見なくてはいけないのです。
豆太は「自分には無理だ」とおもうのでした。
ある冬の寒い晩、じさまが急に苦しみだしました。まめ太は、冬の山を医者を呼びに裸足で駆け出しました。
子どもたちに印象に残っている絵本は?ときくとこの本の名前があがりました。
絵が独特でインパクトがあったようです。
普段は弱いと思われている主人公が、ここぞという時に力を発揮する、そんな話が私は好きです。
突然、豆太にとって絶対安全の象徴のようなじさまの身に起こった不調。
どれだけ心細かった事でしょう。
霜で凍った山道を駆けていくまめ太の足はどれほど傷ついたことでしょう。
果たしてこんな夜中にお医者さんはきてくれるの?
おじいさんは助かるの?
見開きの、豆太が泣きながら、ふもとの村までかけている場面(絵)は、心を揺さぶられます。
ちょうど今どきのように、冬が近づいてくるころ、読みたくなる本です。
おじいさんの腹痛はなんだったのかな、と考えることがあります。
夫が尿管結石で苦しんだ時の痛がりようと似ています。
七転八倒の苦しみ様で、救急病院に車の乗せて連れていきました。悪い病気で、突然死んでしまうのではないかと不安でいっぱいでした。
大人でもこんなに心細く不安になるのに、5つの子どもが、一人で医者様を呼びに行くのです。
みんな豆太の活躍に
「びっくら」して「ほっこり」するお話です。
最後のページの豆太の顔をもみてやってください!