宮沢賢治の作品で一番好きなのは「虔十公園林」。
絵/伊藤亘 偕成社
新潮文庫「新編風の又三郎」収録
(偕成社さまから表紙画像使用の許可をいただいております)
主人公の虔十は、誰にもさからうことにない気のいい男(少年?青年?)少し発達がゆっくりで、まわりからは馬鹿にされているようです。
両親の畑仕事も文句をいわずによく手伝う働き者です。
そんな虔十が
「お母、おらさ杉苗七百本、買って呉ろ(けろ)。
と頼むのでした。
今まで、ものをねだったことのない虔十に、家族は杉の苗をかってあげることにしました。
虔十は、杉の苗を700本植え、ちいさな美しい林をつくりました。
いつしかその林にはこどもたちが遊びに来るようになりました。
あるとき、隣の平二に
「貴さんどごの杉伐れ」
と、迫られ虔十は、、、、、。
そして年月が流れて、、、、。
美しい美しい物語です。
本を読んで泣いたのは、これがはじめてだったかもしれません。
中学3年の時でした。
虔十公園林 宮沢賢治 絵 伊東亘 / 偕成社
そのほか、新潮文庫「新編風の又三郎」収録