2024年11月28日
  • 親子で楽しむおすすめ絵本

銀河鉄道の父

銀河鉄道の父

門井慶喜

講談社

 

宮沢賢治の父の視線を通して語られる「賢治」の物語です。

 

賢治誕生の知らせを受けたところから、なくなった少し後までが描かれています。質屋を家業とする賢治の父、政次郎は、息子の賢治を誇りに思い溺愛しているが、立場上、威厳をもって厳しく接している。

これはフィクションであるということを前提にしても、こうだったのではないか、と思わせるリアリティがあるので、引き込まれてしまいます。

特に、全編通しての「花巻弁」は自然で、宮沢賢治作品の世界の延長にあるようにも感じます。

明治・大正期の裕福な家はこんな様子だったのか、優秀であっても、上の学校への進学は中名k認められなかったなどのエピソードもあありました。

 

賢治ファンとしては、神々しいような賢治像をもてしまうのだが、この物語の賢治は、ロマンティストな天才肌であるが、少々困ったお坊ちゃんであったようです。

 

天才をこの世に出し、そして見送った一人の男の物語。

 

宮沢賢治ファンでなくとも、楽しめる本です。

 

この作品は「直木賞を」受賞していますが、私がこの本に出会ったときは「直木賞候補」

でした。

実は門井慶喜の「家康、江戸を建てる」を本屋でさがしていたら、みつからず、かわりに「銀河鉄道の父」が平積みで並べてありました。

手に取って、

ぱらぱらと最初の1~2ページを読んで、そのままレジに直行しました。

 

早く家に帰ってこれを読まなくては!!

 

そう思わせる本でした。

 

 

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