ちいさなオキクルミ
松谷みよ子 ぶん
西山三郎 え
ほるぷ出版
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お姉さんと暮らしている神の子「オキクルミ」は、川に毒を流して鮭たちを苦しめる「悪魔の子」と戦います。
ひるまないで立ちむかってくる「オキクルミ」に「悪魔の子」は次々に、、、、
長男が3歳ころ、保育園でよく泣かされていました。
早生まれなうえに、小柄だった息子は、クラスでいちばん弱い存在だったと思います。
あるとき、保育園にお迎えに行くと、息子は廊下のところで上を向いて大きな口をあけて、
「あーーーーー」
と泣いていました。
「また〇〇君に泣かされたの?」
ときくと息子は泣きやんで、大真面目な顔で
「いいんだ。子分になると言うことをきかなくちゃいけない。子分にならなければ、言うことをきかないですむんだ。」←3歳でしたが、確かに自分の言葉でそういいました。
だから、泣いているというわけです。納得済みだということです。
「子分になるとどうなるの?」
ときくと
「誰かのことをつねりに行ったり、しなくちゃならないんだ」
つまりボスの手先になって悪いことをしなくてはならないようです。
そんなことはご免なので、自分が叩かれたり意地悪されても、それですむならそれでいいという事でした。泣けばすむことだ、と。
あとはケロっとして、帰り支度を始めました。
わたしはオキクルミのお姉さんの言葉を思い出しました。
「それでこそ神の子です」
クラスで一番おちびで泣き虫の息子のことを誇らしい、と思ったのを今でも忘れません。
オキクルミのように勇敢に戦ったりはしませんでしたが、それでも
「それでこそ」と思ったのでした。