数年前、2月に大雪が降った年がありました。 今はもう社会人の長女が大学受験をした時の話です。
受験期は祖父母(夫の両親)の家に居候していました。
ところが、直前の天気予報で娘の試験の日にどんぴしゃり大雪になりそうだということがわかりました、予想では大雪になるのは間違いなさそうとのこと。
おじいちゃんの家から大学は、直線距離では近いのですが、公共交通機関を利用すると、バス~電車~バス、とちょっと遠回りしなければたどりつけない場所にあります。一番の不安は大雪でバスや電車が止まること。土地勘のない場所で、右往左往するのも心配でした。
インターネットでホテル検索をすると、大学の隣といっていい場所にあるホテルが奇跡的にあいていたので、予約しました。女の子ということもありましたし、想定外の展開で、初めて一人でホテルに泊まるという余計なプレッシャーもかけたくなかったので、急遽私も一緒に泊まることにしました。
二日連続で試験を受ける予定で、初日はまだ天候が安定していました。
長女は初日に祖父母宅から試験会場にスーツケースをゴロゴロ引きながら直行し、私は夕方試験が終わった長女と大学の門のところで合流しました。
その大学は、ひとつのやまがキャンパスになっているようなところでした。
隣にあるように見えたホテルも、大学からは山を下りてぐるりと山のすそ野をまわるので歩くと20分くらいあったでしょうか。
第一志望ではありませんでしたが、第一志望の合格発表がまだだったため気は抜けません。予定外のホテルのお泊りにはしゃぎたい気持ちを抑えました。
ホテルの別館には、レストランと温泉がついているという事でしたが、明日の試験が終わったら行こうね、ということで夕食は近くのファミリーレストランで済ませました。温泉は確か無料で利用できる券をもらったような気がします。
翌朝は、もうかなり雪がふりつもっていましたので、ホテルをとって正解だったと思いました。ホテルから最寄り駅までの送迎バスはあるようでしたが、隣の大学までの送迎サービスというのはありませんでした。宿泊客の多くが受験生だったことをかんがえると、大学までの送迎サービスがあってもよかったのになあ、と思いました。
いまはどうかわかりませんが。
やまのふもとのコンビニまで一緒に行って、昼食を調達した娘が試験に向かうのを見送りました。
最寄り駅から大学へ向かうバスも走っていきましたので、交通機関がとまることはなかったようです。
その日、雪は吹雪のようになり、私は一日中ホテルにこもって待っていました。
夕方試験を終えた長女が雪だるまのようになって帰ってきました。
窓から見る景色は吹雪で前が見えない状態です。
楽しみにしていた温泉とレストランは泣く泣くあきらめることになりました。
宿泊してたホテルの本館は朝食は出るのですが、レストランや喫茶店はついていないのです。非常食にかっておいたカップラーメンをお湯を沸かして二人で食べました。
今でも「温泉入りたかったね~」「もったいなかったねえ」娘と思い出して笑います。
結局第一志望の大学に合格したので、その「山ひとつがキャンパス」、の大学にはいきませんでした。
その年、もう一度大雪がふりました。
あんなに大雪が続いた年というのもめずらしかったですね。
今年は、大雪や災害など混乱なく、受験生が安心して受験できますようにと祈っております。