子育て期、江島雅歌(えじまみうた)さんは、あこがれのお母さん像でした。
江島雅歌さんの「減塩・減バター 自然派おやつ」(農文協)(表紙画像の使用については農文協さまのご許可をいただいております)はお菓子のレシピにとどまらず、彼女のほんわかしたライフスタイルが伝わってくる本です。
表紙の裏側にある著者のお写真は、聡明な女性という印象です。
きっと、でしゃばらずとも周りから頼られる存在感のある、頭のいいママ、でもどこかすきのある、おっとりとした、、、優等生なのに近寄りがたい感じではない、そんなイメージの方です。
この本は、ずっと私のそばにありました。
レシピは、バターやお砂糖はタイトル通り控えめ、全粒粉や野菜を使ったヘルシーなものばかり。
巻頭にお菓子のカラー写真が掲載されていますが、あとはイラスト入りのレシピとエッセイです。
イラスタがまた、ほんわかしていて、かわいいのです。
イラストが「江島恵子」さんという方で、お名前と生まれた年からして、妹さんではないでしょうか。
レシピと作者のエッセイにぴったりの、あたたかいイラストです。
雅歌さんとお子さんの暮らしぶり、雅歌さんのこだわり、が伝わってきて、レシピ本の域をこえた、すてきなエッセイ本です。
こんな風な子育てをしたい、こんなおかあさんになりたい、と思わせる不思議な本でした。
小さい子のいる暮らしはてんてこ舞いで当たり前、そんな暮らしの中で、シンプルなお菓子を、ぱぱっとつくってしまう雅歌さん。
私は、ぱぱっとはつくれなかったのです。
材料や器具をそろえるところから大騒ぎ、半日がかりになったものです。
こどもが大きくなるとそんな機会はへってしまいました。
いつだったか、息子に
「おかあさん、小さい頃はよくケーキとかゼリーとかつくってくれたね」
といわれ、久しく作っていないことに気が付きました。
あのころ、私は雅歌さんのように「手作りのお菓子をつくるおかあさん」はかっこいい、と思っていました。なんというか、自己満足だったんだと思いますが、子どもの記憶にも残っているならがんばったかいもあったかもしれません。(最近作らないね、という非難だったとしても!)
そう、「がんばった」わけで、自然体ではなかったのです。(*^^*)
それでも、雅歌さんの本を読むと、「自分も」つくりたい、と意欲がわきました。
そうして、出来上がると、ちょっとだけ雅歌さんに近づいたような、かっこよくなれたような気がしました。
雅歌さんの本には、材料もシンプルで、手間もそんなにかからないものばかり。
甘いものを子どもに控えさせたいと思っている方や、アトピーのお子さんがいる方などにおすすめしたい本です。
自然派おやつ
江島雅歌(みうた)
イラスト/江島恵子
農文協
(紙画像については農文協さまよりご許可いただいております。表紙画像は農文協さまHPより)