夏休みの読書感想文は子どもたちを本嫌いにしかねない厄介なものだと思います。
長女は、読書感想文が苦手でした。毎年夏休みの後半、「読書感想文」で固まっていました。彼女にとっては大きな試練でした。
中学生のころは半泣き半狂乱で取り組んでいました。
子どもの勉強には口をださないようにしていましたが、さすがに気になって「この本はどうだろう」「このことについてはどう感じた?」などとおせっかいを焼いたりもしました。
そんな長女でしたが、中学3年生の時に書いた読書感想文が代表に選ばれ佳作を受賞しました。この年だけは大騒ぎをせずに、知らない間に仕上げて無事提出していました。結局、その作文は返却されず手元に戻ってこなかったのと、「佳作」ということで文集にも名前だけの掲載となり、私は読むことができなかったので残念です。読んでみたかったな~と今でも心残りです。
それまで、本を読んでいろいろ思うことはあったのでしょうが、どう表現していいか、方法がわからなかったらしいです。
これは、本人が試行錯誤してたどりつくしか解決法がなかったようです。乗り越えられてよかったとほっとしたものです。
読書感想文をクリアするには(時間がないっ!!という場合)
① 評判のいい本を選ぶ(たいていおもしろいはず)
② 物語の冒頭部や主人公の説明、かんたんなあらすじ
をさらっと書く。
延々とあらすじをかくことにならないよう、冒頭部
にしぼるといい。
③ 主人公に共感したこと、共感できなかったことがあ
れば書く。
例えば、
「主人公がなぜそんなに怒ったのか私には理解できな
かった」
「主人公が、言い返したのですっきりした」
など。
④ 本を読んで、初めて知った知識、おどろいたことな
どあれば書く。
「昔は手作業でやっていてとても時間や手間がかか
っていた
ことに驚いた」
「この時代、厳しい差別があったことを知った」
⑤ 本を読んで影響を受けたこと、自分の変化などが
あれば書く。
「これからは、すぐにあきらめないで挑戦してみよ
うと思った」
「自分と違う考えの人の意見も尊重しようと思
う」など。
宿題をクリアしたいということだけ、であれば、これだけを並べれば解決すると思います。かっこつけて立派にしようと思うとなかなか進みません。
本来なら、宿題のために本を読み感想文を書く、ということではなく、休みの間に良書に巡り合い、自然に感想を書き留めたくなる、くらいが理想だと思うのですが、、、、、、。
感想文のために選んだ1冊が、その人にとって「特別な1冊」になるといいな、と思います。夏休みが本と出会う良いきっかけとなりますように。
ちなみに長男は、すらすらと読書感想文をかいていたように思います
「この本、おもしろいから読んでみなよ!」のようなノリで書いていました。そんなやりかたもありますね。
私のおすすめ本
小学校低学年 「かぶともり」
菊池日出夫 福音館書店
(絶版ですが、図書館ならあるかもしれま
せん。また、ネットでは流通しているよう
です)
小学校中学年 「ルドルフとイッパイアッテナ」
斉藤洋 絵・杉浦範茂
講談社
「霧の向こうの不思議な町」
柏葉幸子 絵・竹川功三郎
講談社
小学校高学年 「白狐魔記シリーズ・源平の風」
斉藤洋 絵・高畠純
偕成社
ハリー・ポッターシリーズ「賢者の石」
J・K・ローリング 訳・松岡祐子
静山社
中学生 守り人シリーズ「精霊の守り人」
上橋菜穂子 絵・二木真紀子
偕成社
「新編風の又三郎」
宮沢賢治
新潮社
「虔十公園林」をはじめ短編が収められている
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