あいうえおの本
安野光雅 福音館書店
長女と長男、子どもたちはふたりとも「小学校の入学前に文字を思える必要はない」という方針の保育園に通っていました。とにかく子どもはあそぶべし、という方針でした。
うえの長女の時は、保育園の保母さんやすでに上のお子さんが学校に上がっているおかあさんたちの「だいじょうぶだったよ」という言葉を信じて、字をおしえないで過ごしました。
入学式の前に、自分の名前だけはわかるように、と思いましたが、さすがに自分の名前は読めるようでした。文字というより「記号」とか「デザイン」のような認識だったかもしれません。
入学して、あっというまに文字を覚え、作文も、上手でした。
なにより、入学してからの勉強は新鮮に感じたことでしょう。
逆に文字をすかりおぼえて入学したお子さんは、退屈ではなかったかなあ、と思います。
いずれにしても、文字を知っている子どももそうでない子どもも1ヶ月もすれば、何の違いもなかったようだというのが実感です。
それでも、我が家に安野光雅さんの「あいうえお絵本」があるのは、私がすくなからず、当時不安をかんじていたことの証拠でしょうか?
この「あいうえお絵本」は長女の入学前に購入したのかその4年後、長男の時に購入したのかさえ、記憶があやふやですが、比較的にきれいな状態で残っております。
この本で勉強した、という痕跡はないのですが、とても美しいおもしろい絵本です。
本を開くと、左側にひらがなが一文字。右側にひらがなのもじからはじまるものが描かれています。そしてページを四角くとりかこむイラストがまたすてき。
この本は大人の方が楽しめるかもしれません。
もちろん、お子さんに見せても楽しんでくれるのではないでしょうか。